ミニ1300 ドレスアップ日記 201310月30日 いよいよエンジン修理?(2)


組み上げ作業
 ステムシール交換の予定が、なぜかポート加工に至ってしまった訳ですが、ようやく組み上げ作業に入りました。

簡単な構造なので難しい事は何も無いのですが、AT車という関係上、クランクの手回しが問題でしたが、(1)で書いた古いファンベルトを活用する方法で対処しています。


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もう一度バルブの状態...
 しかし、こんな酷いカーボンはなかなか無いでしょう!(って自慢してどうする?)

簡単に磨いて組み上げました。
本当はシートリング入れ替えたり、ガイド打ち替えたり..となるとチューニングエンジン作る事になってしまうので(笑)、あくまでも現状復旧を目標に。

しかしバルブ傘の形状はやけに平べったいですね〜

 

ステムシール交換
 今回、ステムシールはタートルトレーディングで購入した「強化タイプ」と呼ばれる物を使用しました。

これがその部品ですが、純正のゴムだけの物と違い、周囲が金属製のスリーブで覆われており、ガイドへの密着性を長期間維持出来そうです(純正は経年で外れる事は無いものの、結構緩くなる)。

もしかしたら国産エンジン等の流用品なのかもしれませんが、それを調べる労力に対価を支払うという意味で、割高な価格も納得すべきでしょう。

   

 

バルブ組み付け

 燃焼室も若干整形、磨いています。

ノーマルのままではバルブシート挿入のための機械加工の段差がそのままで、その段差を残すか悩んだのですが、純正エンジン故にバルブオーバーラップも少なく、残す必要も無いと判断、段差をなだらかに整形しました。

   

 

社外ですがチューニングではありません
 メタルのヘッドガスケットですが、薄くて圧縮アップ..とような物ではありません。
社外の安い物ですが、先代赤ミニでエンジンをイジる予定だったので購入してあったもの。

10年目にして活用されました(笑)。
組み付けは特に難しい事も無いので、積み木のように...


ヘッドが載りました
 鋳鉄で重い事を抜きにすれば、簡単な作業です。

今回のヘッド降ろし作業のためにはオルタネーターをステーと共に外し、クーラーコンプレッサーの取付けボルトを外し、下方手前に避けてあります。



完成!!
 今回のヘッド降ろしと同時に、オイルが漏れやすく、フィラーキャップも樹脂製で頼りない純正タペットカバーを社外のアルミ製に交換しました。
L6用とかであれば物凄い値段になる社外タペットカバーも、ミニ用だと非常にリーズナブルです♪

見た目も向上しますが、ヘッドとの密着性も向上するので採用しています。
先代赤ミニでも使用しており、機能は確認済みなのです。

同時にエアクリーナーを高効率タイプへ変更。
ステンレスメッシュの物で清掃を行えば継続的に使用出来るタイプです。
これの装着によって純正エアクリーナーボックスを撤去する事になり、寒冷時の暖気(エキマニ周囲よりの)吸気機構は廃されますが、先代赤ミニで冬季においても問題無い事は確認済みなのです。

吸気音が心地よいです!




夏の対策として...

 MINI DELTA製のオーバーヒート対策キットも装着。

今はもう寒くなる季節なので効果は確認できませんが、来年の夏に向けての準備です。
構造的には簡単なもので、バイパスホースに温度スイッチを割り込ませているだけです。
材料買ってきて作れば安く上がるんですが、時間を買うと思って...

試しにこちらのスイッチでファンを動かしてみましたが、純正88度サーモとの相性は良くないので、ファンの回る時間が増加しました。
このキットの説明書に記載されている通り、74度、または82度のサーモで早めにラジエーターに水を回せば効果が生きそうです。

来夏は74度サーモで試してみようと思います。



現場監督もご満足な様子です
 娘も監督に来ています(笑)。

左の最新ゴルフ7よりも、このミニの方が好きならしく
「直ったらミニでドライブ行けるの?」
と気にしている様子。

こりゃ頑張って完全に直さなければなりません!



ここで原因究明
 タペットカバーはヘッドからの2本のスタッドボルトへの締め付けで固定されているので、ヘッドとの接合面の密着性は高くありません。
純正はコルク製ガスケットですが、漏れが発生し易いのでゴム製に交換していました。
それでも構造上、漏れは止まらず...

インマニは開き間にと共締めでヘッドに押さえつけられている構造です。
 始動時のみマフラーより煙が出た訳ですが、今回ヘッドを降ろすためにインマニ&エキマニ取付けナットを緩める時、適正なトルクがかかっていない事を確認しました。
つまりはユルユルだったのです...
通常、このナットは固く固着しており、そのためスタッドボルトが折れる事が多いのです。
対策の固着防止ナットが売られているくらいです。

その覚悟で緩めようとしたら拍子抜けする程の力で緩んでしまうではありませんか。
よくも普通に動いていたと思うくらい(笑)。

私が所有してからはエンジンは全く手を入れていませんので、前オーナー以前で何らかの作業をした模様です。
その時に完全に締めなかったのでしょう。
更に外したインマニの内部にオイルが確認出来ました。

ステムシールからのオイル下がり、ピストンからのオイル上がりであればブロックまたはヘッド内部で燃焼室へのオイル混入が発生するためにインマニにオイルが回る事は通常考え難いです。
インマニに回るとしたらブローバイに大量のオイル分があったのか?
であれば始動時だけでなく継続的に煙が出るはず。

これらを総合して推理すると...

1:走行後タペットカバーからじわじわ漏れたオイルがインマニフランジ上に溜まる。
2:エンジンが冷えて行くと共に熱膨張が解けたインマニのヘッドとのクリアランスが増し、オイルが接合面に浸透。
3:始動すると負圧によりインマニフランジ接合面に染み込んだオイルが吸われ、燃焼室へ行き燃えるため煙発生。
4:始動後すぐにエンジンが暖まり、熱膨張によりインマニ部のクリアランスが減少、オイルを吸わなくなる。
5:1〜4の繰り返し

これであれば、実際の現象が説明付くのです。

分解時に気付き、このような推理をしましたが、念のためステムシールも交換しました(劣化が確認されたので)。
従って推理が正しかったかは証明出来ませんが、こんな事もあるというのだけ頭に入れて頂ければと思います。





その3に続きます
 
これで完成と喜んだのですが...予想しなかった不具合が発生したのです...
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