SUZUKI GS550E素人レストア日記

2000年1月

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また、数々のウンチクは自己流で得たもの、正式に勉強したもの、雑誌から得 たものもあります。いずれにせよ自分で経験した事を書いているつもりです。
しかしながら、私の勘違い、思い込みもある事と思います。間違っている事もあるかもしれません。そんな時はご指摘下さいませ。

 

GS入手の経緯
 
 実は私は16歳で中型バイク免許を取得して以来、メインのバイクは2ストローク(RZ&RZR)オンリーでした。
手軽なチューニングによって1クラスも2クラスも上のバイクをカモれるそのパワー、加速感、オイルの臭い、何よりも安くコストパフォーマンスの高い2ストバイクに、他に乗る気は起きませんでした。

 しかしながら年令と共に?「のんびり走りたい」という新たな気持ちも出て来ました。ところがピーキー(当然のようにポート加工などチューニングしてしまっているので)なRZはのんびり走れないのです(笑)。

本当のところはリッターオーバーのバイクにも興味はあり、KAWASAKI Z1-Rなどを雑誌で眺めては溜め息をついておりました。しかし私には到底手の届かないバイクです(泣)。
そんな時、古い車に乗る友人よりこんなお話が...
 
『走行1,700kmのGS550Eがあるけど、欲しい?』
 
実はそのお話の前に現物は拝見しており、750ccに比べコンパクトな車体、かつ400ccよりも存在感があり、何より街中で見る事の無い希少性に非常に魅力を感じていたのです。
さらに嬉しい事に、価格はRZのチャンバーよりも安い(笑)超特価です!!
考える間も無く譲って頂きました(笑)。
 
因に私は中型限定ライダーですので、免許取らなければならないのですが...(笑)


納車

 これがほぼノーマル(リヤショックのみKYB製に交換済)の1978年製GS550Eです。
フレームに錆びがあるものの程度は極上と言っていいかもしれません。

 

不動!(笑)

 とは言え実はこのGS、不動との事でした。
走行距離は1,700km程度、ノーマル、不動になる理由が見当たらないのですが、早速原因究明のためバラします。



まずはキャブから

 不動バイク整備の鉄則、『キャブ』です。
大抵は中のガソリンが腐食してジェット類を詰らせているのが不動の原因なんです。(ガソリン中のバクテリアが原因?)
慣れない4気筒キャブに少し手こずりながらもキャブを外し、バラバラにして大掃除です。
案の定、中は腐食したガソリンで詰りが発生していました。


念のためヘッド確認

 『長期不動』、しかも走行距離が非常に少ないという事で、ヘッド周りのオイルが全て落ちてしまって油切れの可能性もあります。
そこでカムカバーを外し、エンジンオイルをたっぷりと塗布、始動時の焼き付き、傷付きを防止します。
しかし綺麗なカム周り!!走行1,700kmは本当でした!!



まずは「集合管作製」!?(笑)

 このGSを入手した当初は、ノーマルで動かすか、それとも足周りなどをフルカスタムして乗るか、色々と悩みました。
性能を我慢して雰囲気を楽しむのであればノーマルが一番なのですが、ノーマルのフォークインナーチューブは錆びており、更にはフォークシールも抜けてオイルが漏れています。
これら フォークのシールやその他消耗パーツの供給に不安があります。


その点、足周りを最新の極太ラジアルに換えてしまえば、装着には多少手間がかかるものの、そういった心配からは解放されます。おまけに上手くフレームを補強してやれば非常にコーナーが楽しいバイクにもなるでしょう。
Mr.BIKEに投稿すれば掲載されるかもしれませんし(笑)。

しかしフルカスタムではこのGSの雰囲気は無くなってしまうと思ったので、
散々悩んだ挙げ句、『集合、バックステップ、リヤショックのみ』という、往年の姿をイメージして作る事としました。
従って、細いフォークも、細く大きいタイヤも、ノーマル同等です。

敢えてフロント19インチの走行感を楽しんでみたいと思います。
集合は当然既製品ではありませんから、製作する訳ですが、暫定仕様として他車種のものを流用してショート直管タイプを製作する事としました。

最終的には『手曲げ管』を自作するつもりです。


とりあえず付けてみます!!

 バイクと一緒に譲って頂いた「車種不明(恐らく400ccの何か)集合」を当てがってみました。 すると(当然?)シリンダーピッチが全く違い、集合管の方が狭いので、『エイ!』と人力で手曲げ(笑)修正します。
『これで簡単に付くな!』と思ったのですが、パイプ径が合わず、また外側のシリンダー(1&4)は外に向かって若干広がる方向にエキゾーストが出ているので、そのままでは無理そうです...
そこで考えたのは...



ノーマル管を思い切って...

 これはノーマル管です。因みに4−2の2本出しです。
こいつのフランジ部分だけ切り取って前述の集合と合体させて使用してしまおうという作戦です。
当然の事ながらノーマル管は使えなくなってしまいますが、4気筒バイクは集合管というのが私の常識?ですので思いきって...



切ってしまいました(笑)

 切ってしまいました...
切って判ったのですが、ノーマルは画像のように二重構造なんです。
断熱などの目的かと思いますが、内側パイプの内径は非常に細く、排気ロスがありそうな感じです。
フランジ側の溶接をリューターで削って、内側パイプを外します。



合体です

 流用集合管の方もフランジ部を適当に(笑)切ってしまいます。
まずは1気筒分だけ合わせて、その後順に現物合わせで切り取ったノーマル部を溶接して行きます。



集合も切ってしまいました(笑)

 さらにそのままでは長さも好みでは無い為、切り詰めてしまいます。
ステップにつま先を置いた時に、かかとと同じくらいの位置、これが2スト4スト問わず、私のマフラー長基準?(笑)です。



出口部分の溶接

  先程のノーマル管から切り出した部分と流用集合を溶接し、仮組みして様子を見ます。
なかなか良い感じです。
この時MIG溶接機が間に合わず(アルゴンガスを買っていない)、アーク溶接で行ったため、完全な突き合わせ溶接を行うのは自分の技術では困難で、仮溶接を行い他の場所でTIG溶接機を借りて本溶接としました。



溶接完了

 大汗をかきながらも4気筒分が溶接完了。
アーク溶接ですので形状を保つ程度しか溶接していません。本溶接はアルゴンガスを使用してTIG溶接で仕上げます。
その後綺麗に塗装すれば何とか見れるモノにはなるでしょう。



今度は集合出口を

 今度は後部の加工です。
GSには少々長過ぎるので途中で詰めます。
切断面をサンダーで削りながら出口の角度を調整して行きます。
昔風ならばあまり上げずに水平に近い感じでしょうけれど、自分の好みの角度を探ります。
このあたりは全体の見た目のバランスなので非常に難しいです。



結局

 削り終わった後部です。結局10cm程間引きしました。
コイツもアークで仮溶接します。


仮組み完了!!

 で、これが仮溶接完成の姿です!!
なかなか良いバランスに出来たと、自己満足に浸っております(笑)。
これで全バラしのレストアに入れます(笑)。
そうです、これで終わりでは無く、これからやっと本題の作業に入れるのです(笑)。


第一部は終了です

 

完成した時の姿が見えた所で、これからバラバラにしてレストアに入ります。
箱スカRZの時と違って、大きな改造等は無いので少しは気楽なのですが、主なメニューは...

・フレーム剥離、サンドブラスト処理、塗装
・エンジンサンドブラスト処理
・フロントフォークインナーチューブ再メッキ

と、この程度でタンクなどは現在のまま、敢えて再塗装は行いません。
再メッキだけは業者に依頼しないと無理ですが、他は全て自分で行います(お金無いので(笑))。
後はできればCRキャブ、ダイナコイル等の機能パーツを装着したいと思っています。

バイクのレストアとは言え、分解するとそのパーツの保管場所は結構なものとなります。まずはパーツ保管場所の確保から始めないとなりませんね。ここが辛いところです...

(第二部へ続く)


後日追記(2023年6月):
 このGS550Eはレストアの妄想までで、結果手放してしまいました。
当時は大型乗るなら憧れのカワサキという強い想いがあり、レストアして行くだけのモチベーションを維持出来ませんでした。
しかしながら、(追記を書いている)入手から20年後に思い返すと「頑張って維持しておけば良かった」と猛烈に後悔しています。

まぁ、その後に乗ったバイクがあったからこそ、今悔いている訳ですが...






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