箱スカ チューニング日記 1999年6月1日〜 憧れの3.1リッター化計画(7)
ブロックの加工、組み立て
ヘッドの組み立てもほぼ終了し、いよいよ今度はブロックの作業に移ります。
3.1リッターエンジンの要であるLDクランクや、ピストン、等を組んで行く訳です。この辺りの作業になるとエンジンを作っているという実感が湧いてきますね(笑)。楽しい作業です。
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これがφ89.0にボーリング、ブロック面研、オイルストレーナー移設の加工を終えたN42ブロックです。長年のオイルなどでかなり汚れています。
美観ももちろんですが、エンジンを組むのに汚れだらけの状態では正常に組む事も出来ません(これは物を組み立てるという作業の共通した基本的事項ですよね)。
そこでペイント剥離剤でブロックの古い塗装や汚れを落としました。その後、水道水で水穴のゴミを流し、ホワイトガソリンでブロック外面、内面をきれいに洗浄しました。
ブロック内側のブローバイフィルター近辺が物凄いスラッジで掃除が大変でした...
そのブローバイの出口(純正ではパイプが刺さっている)はブランキングで塞いでしまいます。
これはブロック内面です。ニードルで指しているあたりは「砂」が多く、今にも落ちそうな鋳物作製時のバリも見受けられます。
このような簡単に落ちてしまいそうなバリや砂をリューターで削り取ってやります。いわゆる「砂落とし」です。本当は内面を鏡面加工(オイルが早く下に落ちるように)したいくらいですが、そこまでこだわるといつまでたってもエンジンが完成しないので我慢します(笑)。
もちろん砂落としを行った後は入念な掃除を行っています。
そしてブロックは缶スプレー(ホルツの1液ウレタン)できれいに塗装してやりました。ハデハデな(笑)メタリックブルーです。
ブロックがきれいになると、いかにもパワーを出してくれそうな錯覚に...(笑)
でも正直、きれいなブロックは気持ちが良いものです。
そしていよいよクランクの組み込みです。
まずは親メタルをブロック側に組み込んで行きます。
この時の注意はブロックとメタルの接合面にはオイルを塗らないという事です。
メタルとクランクの接地面にはたっぷりオイルを塗ります。
クランクを注意しながらブロックに置きました。
重いので注意しましょう(腰を壊さぬように...)。
次にメタルクリアランスの確認を行います。
ジャーナルの上に見える赤い筋状の物がクリアランスを測定する「プラスチ・ゲージ」と呼ばれる物です。これは正規トルクで締め込んでその潰れ具合でクリアランスを測定するという物です。
測定範囲によって赤、緑、青などのパッケージがあるようです。
今回、クランクキャップボルトは10mmのクロモリ製を使用しました。その場合の指定締め付けトルクは8kgですので4→6→8と、段階的に締め付けていきます。チューニングが進めば、さらには12mmのクロモリボルトを使用したりもするようです。その場合トルクも変わってきます。
正規トルクで締め付けてキャップを外してみたところです。
このクランクベアリング部は5/100mm〜7/100mmが指定です。
測定の結果、5/100なのでOK、因にメタルはニスモのSTDサイズを使用しています。
クリアランス測定も終わって、最終的に再度トルクレンチを使用してクランクキャップボルトを締め込んでいるところです。8kgのトルクというのは結構なものですので滑って怪我をしたりパーツを傷付けないように注意が必要です。
嬉しくなってピストンを入れてみました(笑)。
遂にピストン&コンロッドを入れて完成間近、というところで
思わぬ問題がぁぁぁ!!
↓参照
何と、ピストンピンをコンロッドに入れてみると「
スカスカ
」です...
「あれっ??」(汗)
そんなはずはありません。ピストンピンはノーマルと同径です。という事はコンロッドの小端部の径が太いという事です。
既にこれはフルフロー加工されているのですが、どうやらそのコンロッド(中古品)に以前付けていたピストンのピン径は
ノーマルサイズよりも太い
ようです...
これではそのまま組めません(泣)。急遽友人の店R−moonを通じて加工屋さんにブッシュの入れ替えを依頼、
完成は順延
になりました...
いやぁ、まさかピン径が違うとは思いもよりませんでした...どっと疲れが...(笑)
作業を終え、麦燃料を飲んでフテ寝したのは言うまでもありません(笑)。
(続く)
※チューニングについての内容、理論等についてはこの内容が全て正しいというものではありません。色々な情報、資料、経験を元に私が判断したものです。また、私のクルマに有益なチューニングであっても全てのクルマにおいて通用するとは限りませんのでご注意下さい。
また、皆様でエンジン製作に関してのノウハウや参考意見などございましたらお知らせ頂ければ幸いです。