箱スカ チューニング日記 1999年6月1日〜  憧れの3.1リッター化計画(他)

 L型3.1リッターが完成して5ヶ月が経とうとしていました。その間、約6000kmも何事も無く走っていたのです。
ところが、ここ最近になってエンジン前部からの異音(ヒュルヒュル&ジリジリという音)が激しくなってきたのでチェックしました。
 タペットカバーを剥ぐってみても、一見何事も無い様子ですが、実は意外な結果が...
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異音の探索
 ヘッドカバーを剥ぐって異音のする周囲を見回しても、これといって変化は無さそうです。
カムチェーンも異常なし...テンショナーもバラけてないし、ガイドも...あれ、ガイドがグラグラ動くぞ...(汗)


ガイド摘出
 そのままガイドが抜けてきました(笑)。
こんな状態です。
上は古い物で正常な状態、下が今回摘出したエンジン左側のガイドです。2ヶ所ある取り付け穴が両方欠損しています。
ガイド自体には原因らしき痕跡はありません。
 なぜこんな風に?


祭りだ〜(笑)
 ヤグラを組んで盆踊りじゃありません(泣)。
急遽エンジンを降ろして修理する事となりました。
この部分は車上でも出来なくは無いのですが、フロントカバーを外さなければならない為、車上ではどうしても無理やりの作業となり後でオイル漏れなどの要因となるのです(テンショナー分解事件で経験済み(笑))。
そこでエンジンを降ろして(正確には吊るして)作業する事に。
 今回はボンネットも外さずにチェーンブロックで吊ったまま作業する事にしました。
 因みにこの日はクリスマスイブでした...(泣)

エンジン離脱
 最小の作業でエンジンを吊り上げました。
一人での作業ですので、いかに効率良く作業するかがカギなんです。
しかしここで新事実判明!
「オバフェンは非常に邪魔!!(笑)」
エンジン周りの作業ではちょうどオバフェンが体に当たり、そのまま作業しようとすればメリメリとオバフェンを割りそうになるし...
無理な体勢を強いられます(笑)。おかげで腰痛がぁぁ...


問題の部分が現れる!?
 エンジンの正面です。
オイルパンを剥いで、いよいよフロントカバーを外します。
この時ヘッド先端の2本のボルトと、オイルポンプに隠れた1本のボルトをお忘れなく!


これが事故現場(笑)
 緑の破線が本来ガイドがある部分です。
見て解る通り、エンジン左側(向かって右側)のガイドはただ単にチェーンが暴れるのを防止するためだけの物です。これが千切れるというのもオカシな話なんです。


見事に破断しております...
 これがその拡大画像です。
ボルトの周囲にしっかりと破片が残っています。
このような千切れ方でしたらかなりの応力がかかって切れたはずです。

修理完了後の状況
 ガイドはエンジン製作時に新品に交換したものですが、それを元々付いていたガイドに交換し、作業完了いたしました。
今までの無理な力がかからなくなったせいか、エンジンも快調です。
2速からでもアクセリングのみで225サイズのSタイヤを空転させてくれます(笑)!!
もう一度パワーチェックしたい気分です(不完全な状態で294馬力だったのですから、完全なら...)。
 因みにこのテスト走行で2000年の幕開けとなりました(笑)。

原因究明
 その後原因を本格的に調べました。
今回破損したガイドと元々付いていたガイドを比較したところ、数mm取り付け穴位置が異なっており、破損したガイドではチェーンを常に押してしまうような位置関係にあった事が判明しました。
たまたま装着したガイドが違った物だったのか?そう思い、手持ちの箱スカオリジナルのL20用ガイドと比較すると、全く同じです...
 という事はブロックとの関係でガイドにも種類があるのかもしれません。
この辺は今後も調査したいと思っています。
皆様もエンジンを組んで元のガイドから変更する場合、チェーンとの干渉を確認し、もしチェーンを押すような場合は、取り付け穴を長穴加工するなどの対処が必要かと思います。


おまけ1
 何とデスビのローターも危なかったです(笑)。
シャフトからかなり浮いており、デズビキャップ内部と干渉し、削れていました(先端近くの段つき)。
それ程高回転を多用してはいないのですが、今後も再発するようでしたら対策が必要ですね。(確かECCSデスビはネジ止め)


おまけ2
 ついでなので自作ヒートプレート用の取り付けフランジをタコ足に溶接してみました。
このヒートプレートですが、市販の物の取り付け方法に疑問があるのです。
市販品の多くはキャブと共締めですよね。ということはタコ足の熱はヒートプレーを熱して、その熱は取り付け部分を介してキャブに伝わると思うのです。これでは断熱なのか加熱なのかわかりません。
 そこで私は以前より自作ヒートプレートをタコ足に固定していました。今まではホースバンドをプレートにリベット止めした物だったんですが、今回しっかりとした物に作り直しました。
ただ単に汎用のステーを溶接しただけなんですけど...


おまけ3
 取り付けるとこんな感じです。ヒートプレートも大型化させてみました。
タコ足はほとんど見えません(鉄だから良いか?笑)。
今回は0.6mmのアルミ板で作ったのですが、使い勝手(取り付けの方法や他の部分への影響)を見てから、次回は7075あたりのアルミ(超々ジュラルミン)で恒久的な物を製作予定です。


最後に
 今回は思いもよらぬ不具合で突貫のエンジン降ろし作業となってしまいました。
まだ原因は確定出来ませんが、L型のように長期に渡って生産されてきたエンジンは、その部品が細かく変更されている可能性もあります。
同じL型だからと安易に装着するのは考え物なのかもしれません。
 まずは元に付いていた物と比較する、これが大切ですね(反省)。

(終わり)

※チューニングについての内容、理論等についてはこの内容が全て正しいというものではありません。色々な情報、資料、経験を元に私が判断したものです。また、私のクルマに有益なチューニングであっても全てのクルマにおいて通用するとは限りませんのでご注意下さい。
また、皆様でエンジン製作に関してのノウハウや参考意見などございましたらお知らせ頂ければ幸いです。