箱スカ チューニング日記 1999年6月1日〜  憧れの3.1リッター化計画(10)

最終組み立て!(その3)
 L28エンジンを降ろし終わったら、今度は3.1の積み込みのための作業です。
各種パーツの移植から作業開始です。

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。


 これは今まで使用していたオイルストレーナーです。オイルパン形状(つまりはZ系とハコスカ系)でストレーナー形状も違いますので、一番最初のL20の時から使用していた物です。かなりくたびれています。網も一部破れて激しく変型...
そこで今回はストレーナーをZ用のものと交換する事にしました。
並べて比較してみると、パイプの曲がり具合と長さが違います。


 曲がりの違いはカセットバーナーで炙って曲げてやります。くれぐれも折らないように注意しましょう。
曲げた後、仮組で干渉を調べましたが、特に問題は無さそうです。
箱スカのストレーナーよりも若干長いため、網の位置がほんの少しオフセットされて更に下に位置するようです。共に機能上は問題無いと思われます。


 オイルパンもZと箱スカでは全く違う形状ですので移植する訳ですが、私のオイルパンは以前よりオイル漏れが発生していました。
あまりの車高の低さにオイルパンを打ってしまい、それもあってか最近は結構な量が地面に吸われていたのです。
 外したオイルパンをチェックしますと漏れの発生源であると思われるドレンボルトホール周辺にハンダ付けの形跡が見つかりました。そのハンダが割れて漏れていたようです。左の赤い斜線部がハンダ部分(既にバーナーで落としてあります)です。
その中央には何やら変なアダプターが入っています。


 フラックスのため汚く見えますが、アダプター部を今度は「ろう付け」で接合したところです。本当はTIG溶接などで溶接してやるのがベストですが、あいにくそこまでの設備は無いです(笑)のでろう付けにしました。
特に常に応力がかかる部分では無いので大丈夫だと思います。少なくともハンダよりはマシなはず...
 このオイルパンはこの後綺麗に洗浄後、クッションペイントのスプレーで塗装してやりました。


 次はエンジン本体の調整に入ります。
まずはピストンの上死点を出します。本当はヘッドを載せる前に1番ピストンに直角にダイアルゲージを当ててトップを探るべきなのですが、今回は諸般の事情により(ヘッド載せる前に上死点出しおくのを忘れただけなんですが...(笑))プラグホールにダイアルゲージを指して行います。センタープラグのエンジンならこれでも良いのですが、L型のようにプラグがピストンヘッドに対して傾斜している場合、測定子が斜に当たるので本来の正確な測定は出来ないので注意です。
 ま、そこは誤魔化しながら(笑)うまく上死点を探るのです(笑)


 クランクプーリーに文房具屋で売っている適当なサイズの分度器を貼って上死点を0にします。
ダイアルゲージを今度は1番のエキゾーストのバルブリテーナーに当ててリフトを測定します。この時もリテーナーに垂直に当たるようにしないと正確な測定が出来ません。
そしてクランクプーリーを時計方向のみに回しながらバルブの1mmリフトポイント(開き始めの1mmと閉じ終わりの1mmの2つのポイント)を測定します。
このポイントの中心が「中心角」です。

 左が今回使用する75°カムのデータ(インテーク)です。
バルブが開きはじめて1mmリフトする角度が上死点前25.5°、そこからバルブが開いて更に回って今度は閉じはじめて、最初の1mmリフトまで閉じる角度が51.5°。
つまり絵の赤斜線部分がバルブが1mm以上開いている領域な訳です。
25.5+180+51.5=255
つまり合計255°の中心が「中心角」ですから255/2=127.5°となり、
127.5-25.5=102°が中心角です。


 ヤグラに付けたチェーンブロックでエンジンを吊り上げます。
この時にオイルパン、フライホイール&クラッチなどを装着します。
クラッチはセンター出しをきっちりやっておきます。
そして車をエンジンが入る位置まで前に押してやります。


 見事収まりました。
ミッションとの合体が一番の問題で、シャフトのスプラインが合わないと入りません。
また、ミッションとエンジンには位置決め用のブッシュ(ダボ)がありますので、その確認も重要です。これらが無くても合体してしまいますが、正確な位置が出ないためにクラッチやミッションに無理な力がかかり、トラブルの原因となります。
L型の場合、エンジン左側に結合ボルトと同軸上に筒状のブッシュ、エンジン右上側に単体のブッシュ(ダボ)があります。
 ミッションとの結合時、クランクプーリーをソケットレンチャなどで細かく回してやると簡単に入ってくれます。


 手伝いに来てくれたハコスカ4ドア(GC10)乗りのTさんです。
この時はメーター(水温、油温、油圧)の埋め込み作業をしました。メーター設置後驚くべき事実が!!
何と油圧がほとんどゼロでした...(笑)
このハコスカ、L28に換装されているものを入手されたそうですが、このL28はZ用(つまりオイルストレーナー位置が違う)で、そのまま載せてありました。
つまりはレベルゲージにはオイルが付かずに一体何リッターオイルが入っているか確認できない状況なのです。
もしかしたらストレーナーも変な付き方しているのでは...
 とりあえず4リッターオイルを継ぎ足してやったら油圧が上がってきました。
←上がハコスカタイプ、下がZタイプです。違うタイプへの換装は通常はストレーナーとレベルゲージ穴を移設します。
ところがこれがされていない車の方が多いんですよねぇ...


 エンジンが載ったところでTさん、海野さん達と記念撮影です。

 ようやくエンジンが載るだけ載って、あとは補器類を付けていよいよエンジン始動です!

(続く)

※チューニングについての内容、理論等についてはこの内容が全て正しいというものではありません。色々な情報、資料、経験を元に私が判断したものです。また、私のクルマに有益なチューニングであっても全てのクルマにおいて通用するとは限りませんのでご注意下さい。
また、皆様でエンジン製作に関してのノウハウや参考意見などございましたらお知らせ頂ければ幸いです。