ある日の日記(泣)
チラチラと降る雪を少しだけ気にしながら、帰途につきました。
丁度、山中湖に向う道路でもあり、通り慣れた道路でしたのでそのまま一般道で一山越えて家に向う事に(この時点で悪い方向へ向っている)。
車両2台を積んだ積載ではあまり高速道路を走りたく無かった(坂が辛く、ブレーキも効かないし、他にも色々気を使うので疲れるんです)という気持ちもあり、一般
道をノンビリと帰る事にしたのです。
山中湖前も無事通過、雪は相変わらず小降りではありますが降っています。しかし道路は路肩のみ白くなる程度でまだ路面
は大丈夫です。
『万が一、少しでもスリップするようなら引き返そう』
そう決めていたのですが、全くスリップする事も無く、グイグイと雪の坂を登って行きました。
そして標高が一番高くなったであろうトンネルに差し掛かり、あとは下って行き街に出られるという所でした。
トンネルを出ると道路の様子が...
明らかにトンネル入り口よりも積雪が多く、危険を感じました。
速度は20km/hも出ていないであろうという徐行運転ではありましたが、 慎重に慎重に、本当に慎重にブレーキをかけました。しかし停止するかしないかでズルズルと坂を滑り落ちて行きます...(汗)
その先は連続した下りコーナー...車両2台合計2トンちょっとを積載、しかも重心が高い...一度滑り出せばコントロールは不可能でしょう...
全身に緊張が走ります...
『止まってくれ...』
祈りが通じたのか、何とか坂の中腹で止まりました...
ドアをそっと開け、ゆっくり外に出て周囲を確認します。
そこから先は路面は雪に覆われて、もはや進む事は困難です。戻る事だけを考えました。
しかしブレーキでずり落ちそうな坂をバックで戻れるか...
周囲を見回すと、滑り止めの砂袋を発見、それを後輪付近に撒きます。
車に乗り込み全神経を集中して坂道バックです...
長く大きな積載車は後方視界も悪く、良く..いや、全く見えません(泣)
さらに坂のバンクで車は内側の側溝に吸い寄せられて行きます...(大汗)
何度も止まって降りて確認、方向修正、これをくり返し、長い時間をかけて何とかトンネル内に避難しました。
この間に来た道も積雪で引き返す事が難しく、いや、もしかしたら大丈夫だったのかもしれませんが、この坂の恐怖でとても強行する気力は湧きませんでした...
「本当に途方に暮れるとはこの事だな」と..そんな場合ではありません。脱出を考えなければ!!
幸いにして積載車の燃料は十分にあるので朝までエンジンをかけておけそうです。身の安全は確保出来そう...
しかし雪は次第に酷くなって行きます...
これはチェーンを巻かないと走れない、そう思い、先に帰宅していたplusさんに連絡(携帯の残バッテリー目盛り1つ(汗))を取り、翌日にチェーンを持って来てもらうようにお願いしました。
そう、一晩車中を覚悟したのです...
すると間もなくヒロヒト氏から電話が!
来たく真際だったそうですが、すぐにUターンし、何とかチェーンを手配してすぐにこちらに向ってくれるとの事、
心強い応援が!!
夜中になってplus氏、ヒロヒト氏が救援にやって来てくれました。
夜だったため、適正サイズのチェーンが入手出来ずに、とりあえず借用できた大きめのチェーンを持って。
しかしこのチェーンは残念ながら装着するにはサイズが違い過ぎでした。
そこで色々考えた結果、一度チェーンを買いに街まで戻り、再度チェーンを持って積載車を救出という方法をとることにしました。
積載車の手前には注意標識を置いて、凍結防止のためにサイドブレーキは引かずに、ギアを入れ輪留めで積載車を止めました。
一応地元警察に車両を置く事を連絡したのですが、散々お説教を頂き(これは私の落ち度なので仕方の無い事です)ましたが、レッカー業者等を調べて頂き連絡をくれました(感謝)。
チェーン入手と並行してレッカー業者にも連絡を取り、移動の可否を訊ねました。
積載車でもレッカー可能だそうですが、最終的にはやはりチェーンを巻かないとダメとの事で、チェーンは必須となりました。
朝方町中まで戻って来て、そこからplusさん、ヒロヒトさんのネットワークを駆使してチェーン入手を試みますが、朝方、しかも町中も雪のためなかなか見つかりません。
しかし厚木に1本確保出来、それを入手してそのまま積載車の元に戻ります。
皆寝ていないので疲労しているはずなのですが、快く協力してくれている事に感謝感謝です(涙)。
積載車の場所に向う途中も雪は降り続け、チェーンを巻いたABS装備のFF普通
自動車でも気を許すと滑って行きます...
そんな中、昼前に現場に到着、すぐにチェーンを巻き付けます。
この頃になると道路には除雪車が入り、チェーンさえ巻けば帰れそうな状況になっていました。
チェーン装着のため20〜30km/hでゆっくり走行、積もった雪と、雪で垂れ下がった枝に注意しながら山を下って、ようやく平地に到着...
その後はチェーンを外し、無事帰宅する事が出来ました。
今回の遭難劇は自分の判断の甘さが原因で、出発前に天気予報の確認もせず、大丈夫だろうと高を括っていた事に反省をしています。
また借り物の積載車とは言え、雪の可能性もある時にチェーンの準備、確認をしなかったのも反省点です。
この救出のためにplus、ヒロヒト両氏には仕事を休んでまで頂き、本当に申し訳無く、また感謝しています。
また、積載した車両降ろしには、はな氏、Holley氏が手伝いに来て下さり、車仲間の有り難さ、暖かさを実感した数日でした...
友人に迷惑をかけてしまいましたが、今回の件で今まで以上に仲間の有り難さを実感しました。
これが今回のイベントで私にとって一番の大きな事です。
『一生の思い出になった』
と書いたのもこの事だったのです。
今後は今回の事を教訓に二度と同じ間違いを起こさないように気をつけると共に、車仲間と今までより以上に楽しく過ごして行きたいと思います。
そして、多大な犠牲を払って助けに来て頂いた、plusさん、ヒロヒトさん、御心配をお掛けしました皆様に心からお礼を申し上げます!!
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